今回の社内勉強会では時期的にもスギ花粉が多く飛散してきてるので、アレルギー性疾患の中の花粉症をとりあげました。
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって起こるアレルギー疾患の一つです。特に日本においてはスギ花粉症の方が多いです。
スギ花粉症の増加の背景には、戦後に盛んに植えられたスギが成長して花粉を多くつけるようになり、また手入れされないまま放置されていることが関係していると考えられています。
症状としては、3大症状として「くしゃみ」「鼻漏」「鼻閉」が現れます。
他にも、アレルギー性結膜炎を合併し、「眼の痒み」を伴い、涙が出ると言った症状も現れることもあります。
花粉症の原因植物はスギ、ヒノキ、ブタクサ、イネなどがあり、約60種類が確認されています。中でも花粉症患者さんの約70%はスギ花粉症だと言われています。
病態についてです。
花粉が入ると体の中で免疫が働き、IgE抗体というものが産生されます。IgE抗体がマスト細胞にひっつき、花粉が入ってくると抗原抗体反応を起こしやすい状態になります。これを感作状態と言います。
そして、再び花粉が入ってくるとマスト細胞の中にあるケミカルメディエーターと呼ばれるものを出します。これを誘発と呼びます。
感作、誘発が起こることで花粉症の様々な症状が引き起こされます。
ケミカルメディエーターとはヒスタミン・トロンボキサンA2・ロイコトリエンの総称です。
ヒスタミンは搔痒感、トロンボキサンA2は気道過敏性亢進、ロイコトリエンは粘液分泌に関わっています。
続いて花粉症の治療法です。
対症療法としては、点眼・点鼻薬による局所療法。抗アレルギー薬を服用する全身療法。レーザー手術があります。
根治療法としては、舌下免疫療法。原因抗原の除去と回避。アレルゲン免疫療法があります。
アレルギーの治療薬について説明いたします。
抗アレルギー薬は大きく4つに分類されます。
ヒスタミン関連薬、トロンボキサンA2関連薬、ロイコトリエン関連薬、Th2サイトカイン阻害薬です。
花粉症治療で主に使われるのはヒスタミン関連薬とロイコトリエン関連薬です。
主な花粉症の飲み薬です。
ケミカルメディエーター遊離阻害薬はリザベンがあります。
第一世代抗ヒスタミン薬はレスタミン、ポララミン、ペリアクチンがあります。
第二世代抗ヒスタミン薬はザイザル、クラリチン、デザレックス、アレグラ、アレジオン、ビラノア、ルパフィンがあります。
※第一世代、第二世代の違いは第二世代の方が中枢移行性が低く、眠気が出にくいです。
ロイコトリエン受容体拮抗薬はオノン、キプレスがあります。
続いて、主な花粉症の点鼻・点眼薬です。
ステロイド点鼻薬として、フルナーゼ、ナゾネックス、アラミストがあります。
抗アレルギー点鼻薬として、ザジテンがあります。
抗アレルギー点眼薬として、ザジテン、アレジオン、パタノール、リザベンがあります。
花粉症について少し知っていただけたでしょうか?
長くなりましたが、最後まで読んで頂きましてありがとうございます!
次回の社内勉強会をお楽しみにー!!
スタッフ・春