

先日のこども支援のお弁当は、彩り豊かな具材がふわっと広がる、ちらし寿司を配布しました。
新しいメニューは、いかがでしたか。
実は、お弁当をお願いしている中村屋さんも、今まで一度も作ったことがない献立だったそうです。
そんなはじめてのちらし寿司弁当がどうして実現したかというと、こどもからの「ちらし寿司が食べたい!」という一言でした。
ぷりっと弾む小海老、れんこんのしゃきしゃき、錦糸卵の陽だまり色、ほんのり甘い椎茸。
特別な日じゃなくてもちょっと明るい気分になれるような、華やかなちらし寿司弁当が出来上がりました。

配布の日。
ちらし寿司を見たこどもたちの目がぱっと丸くなり、作ってくれた人の表情がやわらかくほころんだ瞬間。
「心を込める」という言葉の意味に深く触れたような気がしました。
試作を重ねて、美味しさをぎゅっとこのひと箱に詰めて、皆さまのもとへ。
ひとつの声がかたちになるまでには、たくさんの工夫や労力が積み重なっています。
誰かの願いを実現したいと思っても、すぐに挑戦するのは簡単なことではありません。
毎日の仕込み、決まった段取り、食材の調整。
新しいメニュー開発には、きっと見えない手間や準備がたくさんあるはずです。
その見えない時間を思うと、すぐ「やってみよう」「挑戦してみよう」と言葉にすることの難しさが静かに胸に響いてきます。


わたしたちはつい、大人がこどもに「やってみよう」と励ます側だと思いがちです。
けれど本当は、誰だって同じ。
誰にでも、いつでも、新しい一歩は生まれます。
わたしたち自身も、挑戦し続ける心をずっと忘れずにいたい。
その一歩が、誰かの願いにそっと寄り添うかたちになるのなら、何よりの喜びです。
だからこそ、その瞬間に立ち会えることが特別で、胸が熱くなるのだと思います。
ここが、静かに新しい一歩が芽吹く場であったら素敵だな、と今回あらためて感じました。
ピスタチオ薬局のスタッフも、中村屋さんのお弁当が毎回楽しみで、大好きです。
ちらし寿司弁当は130食をご用意していましたが、実は、それ以上のお問い合わせをいただいています。
今後もできるだけ多くのご希望に応えられるようよう、努めてまいります。
それでは、また次の更新をお楽しみに。






