利用の広がり
パルスオキシメーターはコロナの影響もあり家庭への普及が急速に進みました。コロナが軽症であっても、突然、肺炎が悪化、重症化し処置が遅れて死に至るケースも報告され、こうした重症化の兆しは血中酸素濃度の変化に現れるため、パルスオキシメーターにより連続的に監視することで呼吸状態の悪化時にいち早く処置に繋げることができます。さらに、小型で、操作も簡単、価格も手頃なものが増えたことでその普及を後押ししました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、「パルスオキシメーター」の名は急速に広がりました。
イベントで中学生のこどもたちと一緒に測定したのですが、既にご家庭にありどのような医療機器か知っていたりと、普及の広がりを実際に体感しました。
パルスオキシメーターは、指に挟むことで血中酸素濃度(血液中の酸素の量)を測ることができます。
測定するのは「SpO2」という数値ですが、その説明はネットにたくさん転がっているので今回は置いておきますね。
肺や心臓の病気などで酸素を身体の中に取り込む力が落ちてくると測定数値が下がります。
なぜ、指に挟むだけで簡単にそれがわかるのかというと、爪という窓から光を通して血中酸素濃度を測定するセンサーが備わっています。
すごい技術ですね!
パルスオキシメーターのすごさは「非侵襲的に血中酸素濃度を測定できる」ことです。
1.非侵襲的とは?
「非侵襲的」とは、体に傷をつけたり、痛みを伴う処置を行わない方法のことです。通常、血中酸素濃度を測定するには、血液を採取する必要があります。これは「侵襲的」な方法です。採血は痛みを伴い、感染リスクも伴います。
2.どうやって測定するの?
光の吸収特性を利用して測定しています。
◇2種類の光を使う仕組みが特徴的
パルスオキシメーター内部には、赤色光と赤外線の2種類の光を発するLEDライトと、その光を受け取るセンサーが組み込まれています。
指先に装着すると、赤色光と赤外線が皮膚を通過し、血液中のヘモグロビンの状態を読み取ります。酸素と結びついたヘモグロビンと、酸素を持たないヘモグロビンは、異なる光の吸収特性を持っているため、この光の吸収量の差を分析することで血中酸素濃度が計算されるのです。
3.なぜすごいのか?
この方法は、体に針を刺したり、血液を直接検査したりすることなく、光だけで非侵襲的に、瞬時に血中酸素濃度を測定できる点が非常に優れています。
・痛みがない
体を傷つけずに測定できるため、誰でも簡単に使うことができます。
・手軽で迅速
指に機器を挟むだけで、すぐに測定結果が出ます。病院や自宅での継続的なモニタリングに最適です。
・安全性が高い
採血を伴わないため、感染リスクがなく、繰り返し使用できます。
この技術により、医療機関だけでなく、家庭でも日常的に健康管理ができるようになり、多くの人々の命を守るために役立っています。
注射や採血が、とても、とても苦手です。
小さいころ肺炎になりましたが、長い入院生活でずっと指先につけていたコレの存在を、その役割を、大人になり知ったとき感動しました。
パルスオキシメーターで測定する血液中の酸素の量は「血圧・脈拍・体温・呼吸数に次ぐ第五の生体サイン」ともいわれています。
従来は動脈から採血しないと測定できなかったデータがこんなに簡単に得られるなんて、本当にすごいです。
もしも、呼吸が苦しくなってきたら何度も針を刺され、そのたびに血を見なければならない地獄があったら、その恐怖で呼吸が止まってしまいます。
コロナ感染拡大の中でパルスオキシメーターは話題になりましたが、医療機関では長年にわたり手術中や集中治療室(ICU)などで標準的に使用されてきました。
皆さまは使ったこと、ありますか?
それでは、また次の更新をお楽しみに。