

かつてピーマンは、こどもの苦手な野菜の代表選手でした。
でも、今のこどもたちはピーマンを嫌がらず、平気な顔で残さずに食べている子が増えたように思います。
「ピーマン?シャキシャキして好き!」
「苦くないよ?」
そう言われて大人のほうが拍子抜けしている場面に、以前の印象が当てはまらなくなっているのを感じます。
今のピーマンは昔ほど強い苦味がなく、食べやすくなりました。
品種改良や調理方法の工夫で青々しさやエグみが抑えられて、こどもたちは「苦い野菜」という先入観のないままピーマンに出会っています。
最近では好きな野菜のひとつに挙げられることも。
こどもはピーマンが苦手、というイメージは、今の大人の記憶の中にだけ残っているのかもしれません。
調理方法の工夫
苦味は弱くなりましたが、まだ食べづらいという人もいると思います。
ピーマンは「細切り・加熱・油と合わせる」ことで、さらに苦味を感じにくくなります。
だから、ナポリタンやチンジャオロースは、苦味に敏感なこどもでも食べやすいことが多いです。
細切りにすると苦味が立ちにくい
ピーマンの苦味成分は、主にワタや種の周辺、そして細胞が壊れたときに感じやすくなります。細く切ることで一口あたりの量が減り、苦味が分散されます。食感も軽くなり、「苦い」より「シャキッとする」が先に来やすくなります。
加熱で苦味成分がやわらぐ
ピーマン特有の苦味(ポリフェノール系)は、加熱によって角が取れる性質があります。
- 炒める
- 蒸す
- 電子レンジ加熱
などは、苦味を和らげつつ甘みを引き出します。火を通すことで青臭さも減ります。
油と合わせると苦味よりコクを感じやすい
油は舌の上にまろやかな膜を作り、苦味を直接感じにくくします。さらにピーマンの脂溶性成分(βカロテンなど)が油に溶け出し、旨みと甘みが強くなります。
逆に
- 生のまま
- 大きく切って
- 油を使わず
こうした条件で食べると、ピーマンのほろ苦さを主張させることができます。
そう、苦いから好きという人もいらっしゃいますよね。
「これもいい」と、その味わいを楽しむことで、料理も食事も静かに奥行きを増していきます。
それでは、また次の更新をお楽しみに。






