

明日はバレンタインデーですね。
チョコレートを食べると恋をしているような気分になる、なんて聞いたことはありませんか。
恋に落ちるとドキドキする
恋愛ホルモン
恋愛中に感じる心のときめきやドキドキ感は、人間の脳内で分泌されるフェニルエチルアミン(PEA)という化学物質が関係しています。
フェニルエチルアミンは恋をしているときに脳内で増えることが知られ、別名「恋愛ホルモン」と呼ばれることもあります。
恋愛のドキドキが落ち着いてきた頃や、失恋して気分が落ち込むと、このホルモンの分泌は止まってしまいます。
チョコレートを食べると恋愛ホルモンが分泌される?
チョコレートとの関係
この説は、チョコレートにフェニルエチルアミンが含まれていることから広まりました。
ただ、チョコレートに含まれるフェニルエチルアミンは体内に入るとすぐに分解されてしまい、脳に届く量はごくわずかのため、直接的な効果はほとんどないと考えられています。
ですがバレンタインなどの背景から〝チョコレート=愛の象徴〟というイメージもあり、チョコレートは恋愛気分を高める〝きっかけ〟になるかもしれないですね。
そんなわけで、「チョコレートを食べると恋をした気分になる」は科学的に証明されていないのですが、「チョコレートを食べると幸せな気分になる」のは本当です。
そう、だって、チョコレートは甘くて美味しいから!
甘いものを食べると、脳内で快楽ホルモンのエンドルフィンが分泌されて、人は幸福感を得られます。
また、チョコレートにはテオブロミンやカフェイン、トリプトファンなども含まれているので、これらの成分が相互作用して気分を高めることがあると考えられます。
テオブロミン:カフェインに似た覚醒作用やリラックス効果がある
カフェイン:軽い興奮作用があり気分を高める
トリプトファン:幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの材料になる
フェニルエチルアミンを含む食品
- チョコレート
- チーズ
- ナッツ類
- 発酵食品
- 赤ワイン
脳内で自然に生成されるほか、チョコレートでは特に高カカオのものに、チーズではチェダーやブルーチーズなどの熟成チーズに、発酵食品では発酵が進んだものにフェニルエチルアミンは含まれています。
しかし、消化酵素(モノアミンオキシダーゼ:MAO)によって体内に入るとすぐに分解されてしまうので、食品からの影響は少ないと考えられます。
フェニルエチルアミンと健康
うつ病・ADHDとの関係
フェニルエチルアミンは、脳内でドーパミンやノルアドレナリンの分泌を促す物質であり、気分の向上や集中力の向上に関与しているため、うつ病やADHD(注意欠陥・多動性障害)との関連が研究されています。
うつ病の患者さまはフェニルエチルアミンの脳内レベルが低いことが報告されており、フェニルエチルアミンを補充することでうつ症状の改善に役立つ可能性があるとされています。
ADHDの人もフェニルエチルアミンの代謝異常が関与している可能性が指摘され一部のADHDの治療薬にも関連する成分です。
ダイエット・運動との関係
フェニルエチルアミンには脂肪燃焼を促進し、エネルギー代謝を高める作用があります。
運動をすると分泌が増え、ランナーズハイのような気分の高揚感にも関与すると言われています。
サプリメント
サプリメントとしても販売されており、集中力向上や気分改善を目的に摂取されることがありますが、フェニルエチルアミンは体内で分解されてしまう物質なので効果は限定的です。
モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤と併用することで効果を持続させる試みもあるのですが、安全性が懸念されます。
それでは、また次の更新をお楽しみに。