梅雨は、季節が春から夏へと移り変わるころに雨や曇りの日が多くなる時期のこと。
実は、梅雨入りと梅雨明けの判断には、明確な定義がありません。
具体的に「雨がどのくらい降ったら」とか「梅雨前線がこうなったら」という基準は決まっていないのです。
気象庁は、梅雨入りと梅雨明けには平均5日間程度の天気の「移り変わり期間」があるとし、その移り変わり期間の中間の日を梅雨入りや梅雨明けと推定します。
特定の日を断定するのではなく「〇月〇日〝ごろ〟梅雨入りしたと〝みられます〟」といった表現で発表されますね。
晴れと雨を繰り返すような移り変わりのない天気になることもあり、梅雨の期間を明確に判断することは非常に難しく、天気予報も外れやすい時期といわれています。
そのため、例年9月初めに梅雨入りと梅雨明けの見直しをして、春から夏にかけての天気が実際どのように経過したか再検討され、日にちが訂正されることもあります。
6月に入り「近畿地方は6月21日ごろに梅雨入りしたとみられます」と発表があっても、9月に振り返ってみて「近畿地方の梅雨入りは6月17日ごろ」と数日ズレることもあるのです。
過去には、季節の移り変わりが不明瞭で梅雨入りや梅雨明けが特定できない年もありました。
水害が多い昨今ですので、今のうちに大雨に備えておきましょう。
『宣言』ではなく『発表』
1996年まで気象庁は梅雨入り〝宣言〟とし、梅雨入りを断言しているかのような表現を使用していました。
しかし、梅雨入り・梅雨明けの判断は難しいため、宣言通りではない天気となることも多くクレームが殺到したため梅雨入り関連の発表を取りやめていた時期がありました。
次はやめたらやめたで、事前に知りたいという要望が多く集まり〝宣言〟から〝発表〟と表現を変え、梅雨入り発表を再開しました。
天気予報の発表を聞いてみると、「何月何日ごろ梅雨入り(明け)したとみられます」といった曖昧な表現をしています。
あくまで梅雨入り・梅雨明けは予報結果の発表であって、確定した情報ではないことを覚えておきましょう。
それでは、また次の更新をお楽しみに。