熱中症警戒アラートとは?


今年はニュースや天気予報で「熱中症警戒アラート」という言葉をよく聞くようになりました。

なんとなく「暑いから気をつけてね」くらいのお知らせだと思っていませんか。

実はそれ以上に重要な意味が込められています。

熱中症警戒アラート

熱中症警戒アラートは、環境省と気象庁が共同で発表しています。

単なる暑さ情報ではなく、熱中症になる危険が特に高まる日に「この暑さは行動を変えないと危険です!」という警告、意識して行動を促すための強いサインを出しています。

どんなときに出るの?

発表の基準になっているのは「暑さ指数(WBGT)」 という指標。

気温・湿度・輻射熱・風速といった要素を組み合わせ「体が感じる暑さ」を科学的に数値化し、暑さ指数が33℃以上になると予測されるとき、熱中症警戒アラートが発表されます。

この暑さ指数33℃以上というラインは、実際に熱中症による救急搬送や重症化が増える危険水準です。

単位は同じだけど意味は別

ここがちょっとおもしろいポイントなのですが、暑さ指数は気温と同じ単位の「℃(摂氏)」で表示されます。

気温以外の要素も加味しているのに同じ単位なのを不思議に思うかもしれませんが、これは日常の感覚に近づける工夫。

たとえば、

  • 気温30℃でも湿度が低く風があれば暑さ指数は26℃前後
  • 気温30℃でも湿度が高く風がないと暑さ指数は33℃を超えて熱中症警戒アラートが発表

となることがあります。

このように「同じ気温でも危険度が違う」ことを、数字で直感的に伝えてくれるんです。

真夏日や猛暑日だけに発表されているものではなく、気温が低めだから安心というわけでもないのですね。

まだ新しい仕組み

熱中症警戒アラートは、2020年の夏から関東甲信地方で先行的に試行された後、評価を経て2021年4月から全国で本格的に運用開始されました。

つまり、まだ新しい制度で、ここ数年で広く周知されるようになったものなんです。

導入後は「暑さ指数」という概念が浸透し、危険な暑さの日に行動を変える人が増え、熱中症による救急搬送の減少につながることが期待されます。

さらにもう一段階上がある!

2024年からは、熱中症警戒アラートよりもさらに一段階上の「熱中症特別警戒アラート」が新設されました。これは、過去に例のない危険な暑さで、命に関わる重大な被害が発生するおそれがある場合に発表されるものです。「熱中症特別警戒アラート」は、対象となる都道府県内のすべての地点で暑さ指数が35℃以上になると予測された場合に発表されます。

熱中症は防げるリスク

熱中症警戒アラートが出たときは、次のことをより意識してみてください。

  • 外出はなるべく控える
  • こまめに水分補給
  • 冷房を我慢しない
  • 熱中症になりやすい人に声かけ

特別なルールがあるわけではありませんが、熱中症対策を強化する日と考え「朝や夕方に予定をずらす」とか、「外回りでは休憩をこまめにとる」といった行動変容のきっかけにできます。

まだ大丈夫、と思っているときこそ危険が潜んでいます。

熱中症は運次第で誰でもなるものではなく、予防する行動を取れば大部分は防げるもの。

こどもや高齢者、持病のある人は特に熱中症のリスクが高くなりますので、周囲のサポートも重要です。

身近な人が無理していないか気にかけていきたいですね。

それでは、また次の更新をお楽しみに。


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