

旬の食材や美味しい食べ方を見つけたら、料理することが楽しみになりますね。
玉ねぎには健康に良い成分がたくさんあるので、軽くご紹介します。
血栓予防・疲労回復(硫化アリル)
■⠀涙が出るのは硫化アリルの仕業!
この成分に何度泣かされたことでしょう。玉ねぎを切ると涙が出るのは、硫化アリル(アリシン)という成分が揮発し、これが目や鼻を刺激するからです。30分〜1時間ほど冷蔵庫で冷やしてから切ると硫化アリルの揮発が抑えられます。急ぐ場合は10〜15分ほど冷凍すると効果的なのでお試しください。また、切れ味の悪い包丁を使うと細胞が潰れて硫化アリルが多く発生してまた大号泣させられます。よく研いだ包丁でスパッと切ると良いです。
■⠀血栓予防
実はこの成分、血流を良くして血栓ができるのを防ぐ作用があり、高血圧や動脈硬化のリスクを下げる効果が期待できます。泣かせにくるだけではなかったわけですね。硫化アリルは加熱すると甘みに変わります。玉ねぎの辛みが苦手な人はじっくり炒めたりと加熱調理すると良いですね。
■⠀生で食べると最大限活かせる成分
生の玉ねぎって辛いですよね。それもまた硫化アリルの仕業です。水に溶けやすい成分なので、切った後水にさらすと辛みが抜けますが、硫化アリルも流出してしまいます。辛味が苦手な人はスープや味噌汁にすると流れ出た成分も摂取できます。サラダなど、生食で辛味を抑えつつ成分を残すには軽く水にくぐらせるくらいにする(水に長時間さらさない)と良いです。切った後5〜10分ほど空気に触れさせると硫化アリルの量が増えて効果が高まります。ただし硫化アリルは刺激が強いため、特に空腹時に生の玉ねぎを大量に食べるのは避けましょう。
硫化アリル(アリシン)
- 玉ねぎの辛みや香りの成分
- 水に溶けやすく加熱で分解され甘みに変わる
- 熱に弱いため生のまま食べると効果を最大限に活かせる
- 刺激が強いため胃が弱い人は生で大量に食べるのを避ける
- 切った後にすぐ水にさらさずしばらく置くと成分が増えるため調理前に5〜10分待つのがポイント
■⠀疲労回復効果
硫化アリルは、疲労回復や代謝促進に役立つビタミンB1の吸収を助けます。豚肉や大豆製品など、ビタミンB1を含む食品と組み合わせると疲労回復効果が向上します。特に豚肉は玉ねぎと調理しやすく良いコンビです。
おすすめ料理
- 豚の生姜焼き
- 豚しゃぶ玉ねぎスライスサラダ
- ポークカレー
- 玉ねぎと豆腐の味噌汁
免疫力アップ(ケルセチン)
■⠀抗酸化・血管強化
紫玉ねぎや、玉ねぎの茶色い皮にはケルセチンが多く含まれています。ケルセチンはポリフェノールの一種(フラボノイド系)で、抗酸化作用が強く、免疫力を高める効果があります。血管の老化を防ぐ働きもあるため、皮ごと煮出して玉ねぎ茶や玉ねぎスープ、味噌汁にするのもおすすめです。皮を食べるのはちょっと…とお考えの方はスープやカレーに外皮を入れて煮込み、最後に取り除くのもアリです。
■⠀ケルセチンは油と相性が良い
ケルセチンは油と一緒に摂ると消化吸収率が上がります。加熱しても成分が失われにくいため、油で炒めたり、天ぷらにしたり、炒め玉ねぎ入りカレーやシチューも絶対美味しいですね。スライス玉ねぎがお好きな場合はオイル系のドレッシングと一緒に食べると成分を活かせます。
プレバイオティクス効果(オリゴ糖)
■⠀玉ねぎは腸内の善玉菌のエサになる!
玉ねぎには、水溶性食物繊維のフラクトオリゴ糖が含まれています。フラクトオリゴ糖は消化酵素で分解されにくいため、大腸に届き、ビフィズス菌や乳酸菌のエサとなり腸内環境を整えます。
フラクトオリゴ糖は腸内の水分を引き寄せる働きがあり、便を柔らかくして、腸のぜん動運動を促進し便秘解消に役立ちます。
効果を高めるには
- 生食(加熱すると一部が分解されるため)
- フラクトオリゴ糖が含まれる食材を組み合わせて食べる(ゴボウ、にんにく、バナナ)
- ヨーグルトと一緒に食べると相乗効果(善玉菌を増やす効果がアップ)
睡眠の質向上&リラックス効果(GABA)
■⠀玉ねぎを枕元に置くとぐっすり眠れる?
玉ねぎの香りにはGABA(γ-アミノ酪酸)というリラックス成分が含まれており、ストレスを軽減し、睡眠の質を向上させる効果があります。昔から「枕元に玉ねぎを置くとよく眠れる」と言われるのも、この成分の働きによるものです。
効果的にGABAを摂取するには、発酵玉ねぎ(発酵させるとGABAが増える)や生食(GABAは熱に弱い)を取り入れるのがおすすめです。

スーパーに年中並んでいますが、玉ねぎにも旬があります。
これから旬を迎える春の新玉ねぎは生食向き、秋冬に出回る貯蔵玉ねぎは加熱向きなので、時期に合わせて、玉ねぎの種類ごとに使い分けて旬を楽しむと、より美味しく料理に活かすことができます。
そして、健康効果や栄養を考えた食べ方も大切ですが、あなたの好きな食べ方で、食事を楽しみ心を満たすことも忘れずに。
美味しく食べることが、心の栄養になります。
それでは、また次の更新をお楽しみに。