手描きイラストの視力表がとても素敵でした。
視力検査だからと、片目を隠すためにしゃもじが準備されているのにもほっこりしました。
普段ならテーブルの上にしゃもじが置いてあると不思議に思いますが、このときだけは見た瞬間に「片目隠す用の黒いスプーンだ!」と確信しました。
ちなみに視力検査で使う黒いスプーンのような、おたまのようなアレは、遮眼子(しゃがんし)と呼びます。
そして、本来、視力表というものは世界的にルールが決まっていますが、今回はこどもたちにとってプレッシャーにならず、アート作品を楽しみながら過ごせたらいいなと思い、手作りの視力表で行いました。
余談ですが視力表のイラストがあまりにも可愛いくて、ピスタチオ薬局にラミネートして飾りたいとスタッフがつぶやいていました。
世界共通の視力検査用の記号
さて、実際の視力検査には視標と呼ばれるマークを用います。
日本において最も広く用いられている視標は、切れ目のあるドーナツ状のマーク「ランドルト環」です。
ランドルト環はフランス眼科医のエドマンド・ランドルトによって開発されました。
国際眼科学会で万国共通の試視力表が制定されたときに、標準視標として正式に採用されています。
直径7.5mm、太さ1.5mm、切れ目幅1.5mmがランドルト環の統一規格です。
視力1.0とは?
ランドルト環の切れ目を5m離れた距離から識別できれば、視力1.0と定義されています。
10m離れた距離でも識別できれば視力2.0となります。
反対に2.5mに近づかないと識別できない場合は視力0.5です。
本来なら、ランドルト環の大きさはそのままで、測定する人が距離を変えることによって視力を測るのですが、距離を変えながら測定するのは手間もかかるので、実際の視力検査では距離を変えず同じ場所に立ったまま、視力を求める計算式によって比率を維持した状態のランドルト環を拡大・縮小することで視力を測っています。
ランドルトの革新により、視力ははっきりと数値化され、たとえば車の運転に必要な裸眼視力の基準を「両眼で0.7以上、かつ片眼でそれぞれ0.3以上」と設定することが出来るようになりました。
また、日本ではランドルト環のほかにも、ひらがな・カタカナ・数字・絵なども視力表に使用しており、年齢や理解度に応じて使い分けられるようになっています。
国際眼科学会で制定されているのだから世界中でランドルト環が使われているのかと言うと、そうではなく、アルファベットを用いたスネレン視標やE字型のみを用いたEチャートという視標なども使われます。
さて、視力検査の結果をもとに目の状態を説明することは医療行為であり、医師のみ許されたものです。
たとえば、視力の低下がサインとなる白内障、緑内障、飛蚊症などの病気がわかることも十分に考えられます。
簡易検査だけでは見抜けないものもたくさんあるため、しばらく視力検査を受けていない、物が見えにくい、見え方が前より悪くなったなど、気になる場合はぜひ眼科での視力検査をお勧めします。
それでは、また次の更新をお楽しみに。