蝉の声に暑さを覚える今日このごろ。
音に温度を感じるというのは不思議な感覚ですね。
蝉時雨(せみしぐれ)は、たくさんの蝉がいっせいに鳴きたてるようすを時雨(しぐれ)が降る音にたとえた言葉です。
まるで情景が浮かんでくるようでぴったりの表現ですね。
蝉は成虫になってからは一週間程度の命とよく聞きますが、最近の研究では数週間から一カ月程度生きるのではないかと言われています。
とはいえ、羽根を授かってからはひと夏だけの短い命ですね。
そんな蝉ですが、抜け殻が生薬として使われていることをご存じでしょうか。
中国では古くから蝉退(せんたい)という生薬として使われており、日本では消風散(しょうふうさん)という漢方薬に配合されています。
生薬は、薬草を現代医学により分析し、効果があると確認された有効成分を利用するお薬です。漢方薬を構成する原料となります。
漢方薬とは、漢方医学の考え方にもとづき、基本的には2種類以上の生薬を定められた量で組み合わせたお薬のこと。
日本では漢方薬というと草や木に由来するお薬というイメージが強いのですが、本場中国では動物や鉱物に由来する生薬もよく使われます。
漢方薬にはいろいろな症状や原因に合う処方がいくつもあります。
それでは、また次の更新をお楽しみに。