

10月に入ったというのに、昼間はまだ半袖でも過ごせるほど。
秋のはじまりを告げるはずの紅葉も、なかなか色づく気配がありません。
「こんなに暑いと、紅葉しないの?」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、紅葉が進むには「気温の変化」が大きく関係しています。
昼と夜の寒暖差がしっかりあることで、葉の中の葉緑素(緑の色素)が分解され、代わりに赤や黄色の色素が目立ちはじめます。
ところが、残暑が長引いて夜も気温が高いままだと、この変化がうまく進まないのです。
つまり、「秋らしい冷え込み」こそが、紅葉を美しく染め上げる魔法なんですね。
また、暑さが続くと木々も夏バテ気味に。
光合成のバランスが崩れ、色づく前に葉が乾いたり、落ちてしまうこともあります。
夏の名残に包まれながら、木々もゆっくりと次の季節を待っているようです。
それでも、ご安心を。
気温がぐっと下がる日が続けば、遅れてでも紅葉はちゃんとやってきます。
今年は少し遅めの「秋探し」になるかもしれませんね。
街路樹が色づきはじめる頃には、空気もやっと柔らかく、深呼吸したくなるような季節がやってくるはずです。
季節が遅れて歩いているだけ。
そんな風に思うと、待つ時間も少しだけ楽しく感じられます。
それでは、また次の更新をお楽しみに。