

リハビリテーションでは、身体の状態や目標に合わせて、同じ動作を繰り返し練習することがあります。
腕を上げる、手を伸ばす、身体を動かす。
こうした反復練習は、身体の機能を取り戻していくうえで大切な方法のひとつです。
けれど、同じ動作を繰り返すことは、課題によってはどうしても単調になりやすいです。
リハビリって「大変だけど頑張って身体を動かし続ける」イメージ、ありませんか?
mediVRカグラを体験して印象的だったのは、「リハビリを頑張っている」という感覚があまりなかったことです。
mediVRカグラは何をするの?
mediVRカグラは、VR技術を活用し、特に身体をどう動かすかという脳の処理を訓練するリハビリテーション用医療機器です。
VR空間の中に現れる「目標物」に向かって、手を伸ばす動作を繰り返します。
実際にスタッフも体験してみましたが、座った状態で行う簡単な動きでした。
カグラは基本的に「操作しているコントローラー」と「目標物」など、必要な情報をシンプルに提示し、VR空間の中に自分の身体のアバターを表示しません。
目の前に複雑な情報がなく、動きに集中させます。
なぜ「手を伸ばす」だけでリハビリになるの?
たとえば、目の前にボールが落ちてきたら、わたしたちは無意識に手を伸ばしているのではないでしょうか。
人は「そこに何かある」と認識すると、自然と手を伸ばしたくなります。
カグラは、このような人の自然な行動をリハビリテーションに取り入れています。
「動作を指示されて行う」のではなく、手を伸ばすきっかけをつくり、「自ら動きたくなる」ように設計されています。
この違いは結構大きいです。
もちろん、リハビリテーションはその方の状態や目的に合わせて行うものなので、誰にでも同じ方法が適しているわけではありません。
その中で、カグラは「患者さまが自分から動きたくなるにはどうすればいいか」という視点で活用されています。
そんな発想から生まれたリハビリテーションがあることを、今回の体験を通して知ることができました。
体性認知協調療法(SCCT:Somato-Cognitive Coordination Therapy)
カグラは、「身体を動かすこと」と「考えること」を一緒に行うことができます。
たとえば、「右上にある赤い物体に触れる」だけでも、
- 赤い物体を認識する
- 位置を判断する
- 距離を判断する
- 右手を選択する
- 手を伸ばす
- 姿勢を調整する
という処理があります。
日常生活でも、
- 歩きながら会話する
- 周囲を見ながら歩く
- 障害物を避けながら進む
- 物を探しながら移動する
- 料理しながら次の作業を考える
など、運動だけを単独で行う場面は意外にも少ないです。
このように、認知と運動を組み合わせて取り組むことも、カグラの特徴のひとつです。

普段はなかなか触れる機会のないものですが、実際に体験してみることで、医療やリハビリについて知るきっかけにもなりました。
「楽しく感じる」ことと「リハビリとして必要な運動」を両立させること。
そこに、VRを使うおもしろさがあります。
これからも地域の皆さまと一緒に学びになる機会をつくっていけたらと思います。
それでは、また次の更新をお楽しみに。




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