鉄分が不足すると貧血になるということはよく知られていますが、肌のシミやシワ、たるみ対策にも鉄分が欠かせないことをご存知でしょうか。
今回は美容面における鉄分の影響を掘り下げたいと思います。
肌のターンオーバーに重要な鉄分
皮ふはターンオーバーと呼ばれる新陳代謝を繰り返して、常に新しく生まれ変わっています。
貧血により血液が酸素をきちんと運べなくなると、血行不良になり、髪や肌の細胞は正常な生まれ変わりができなくなります。
ターンオーバーが乱れることで肌荒れやカサつき、シミやシワ、たるみ、目の下のクマなどができやすくなったりします。
肌荒れ
貧血になり血流が悪くなることで肌に必要な栄養が行き届きにくくなります。
すると、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった、潤いを保つ成分が減少し、乾燥が進み肌のハリや弾力が失われてしまいます。
乾燥は肌に大敵です。
ターンオーバーが乱れるとバリア機能も壊れやすくなり、そこから肌が刺激を受けることで肌荒れが生じやすくなります。
また、本来ならば正常なターンオーバーによって剥がれ落ちていたはずの角質が肌に残ってしまうこともあり、肌がゴワゴワするようになったと感じることもあるでしょう。
貧血が原因となる肌荒れはスキンケアだけではなかなか改善することができません。
もし原因がわからず、スキンケアに気を遣ってみても肌荒れが改善しなくてずっと悩んでいたら、食事に鉄分が足りているかどうかも見直してみてください。
もしかすると鉄分を補うことで解消できるかもしれません。
シミと抗酸化
シミの最大の原因は活性酸素です。
シミの成分を分解するための酵素(カタラーゼ)をつくるのに鉄が必要となります。
紫外線、大気汚染、ストレス、アルコール、タバコなどによっても活性酸素はつくられます。
体外から摂取する抗酸化物質として、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンAなども活性酸素の働きを抑える作用があることでよく知られていますが、体内で活性酸素を無害化するには複数の抗酸化物質がいくつもの段階で活躍しています。
シミは、レーザーや美容医療での対応を考える人もいるでしょう。
酸化している皮ふでは、治療によって一旦シミが消えたとしても再び目立ってくることも多々あり、保険適応のない施術を受け続けることが予想されます。
体の内側から抗酸化のアプローチをすることで、シミの治療、シミの再発を予防できます。
シワやたるみ
鉄分はコラーゲンの合成にも関わっています。
コラーゲンの生成には体の中に十分なビタミンCと鉄分があることが必要です。
肌の弾力を維持し、ハリやツヤのある肌を保つために重要なコラーゲン。
鉄分不足になるとコラーゲンが少なくなるため、肌のハリがなくなり、シワやたるみが増えることもあります。
大事なのは、コラーゲンを合成するときに、体の中にビタミンCや鉄分が足りているかどうか。
肌のことを気にかけてコラーゲンドリンクなどの摂取を検討されている方は、コラーゲン生成に欠かせない他の栄養素にも目を向けることはとても大切です。
血色感
顔がほんのりと赤いのは、皮ふのすぐ下に毛細血管が通っているからです。
血液の色素をつくるヘモグロビンは主に鉄からできています。
鉄分が不足すると赤みが減って青白くなったり、目の下にクマができるなど、顔全体の印象にも影響します。
髪へもダメージが及ぶ
鉄分が足りずに貧血のままでいると、健康状態はもちろんのこと、薄毛にむかうと言われています。
貧血により体内の酸素が少なくなると、毛根へ十分な酸素や栄養分が届けられず、髪の毛がパサついたり、細くなったり、抜け毛や切れ毛が増えたりします。
食生活の乱れが貧血へと繋がる
貧血の中で最も多い原因は食生活の乱れといわれています。
ダイエットなどで食事の量を減らしていたり、多忙などによって偏った食事となり貧血になることは決して少なくありません。
食事だけでは十分な鉄分の補給が難しいと感じる場合には、サプリメントや栄養補助食品を利用するのも一案です。用法・用量を守り、過剰摂取にはくれぐれも注意しましょう。
摂り過ぎの心配
ちなみに、鉄分は吸収されにくいため、サプリメントなどで大量に摂取する場合を除いて、通常の食事で摂り過ぎになることはほとんどないとされています。
それでは、また次の更新をお楽しみに。