
薬局で「お薬の在庫がない」と案内されたことはありますか?
薬局で働きはじめる前のスタッフも、これまでいくつかの薬局を利用してきて、たまにそう言われることがありました。
とは言っても、その日の夕方にはお薬が届いたり、翌日には用意できると伝えてくれたり、比較的すぐにお薬が揃うことが多かったです。
それぞれの薬局でどうやってお薬を用意しているのか。
薬局スタッフとなり、少しずつその仕組みが見えてきました。
処方箋をお持ちいただいたとき、薬局は必要なお薬をすぐにお渡しできるよう準備します。
でも、お薬によっては流通が不安定な時期があったり、処方される機会が少なかったりするため、すべてのお薬をいつでも十分な数だけ薬局に揃えておくことは難しいものです。
在庫がない場合には、お薬を取り寄せたり、別の薬局へ「分譲(ぶんじょう)」をお願いすることがあります。
分譲とは、薬局同士でお薬を分け合うこと。
ピスタチオ薬局にないお薬が別の店舗にあれば、必要な分だけ分けていただくことで、患者さまのお薬をご用意できる場合があります。
反対に、こちらに在庫があるお薬を、他の店舗へ分けることもあります。
つまり、必要に応じて薬局同士が連携し、お互いに助け合いながら、お薬を必要とする患者さまへつなげていく方法が存在するのです。
ある土曜日の出来事が、とても印象に残っています。
処方されていたのは、普段あまり取り扱う機会のないお薬で、発注してすぐに納品されないものでした。
土曜日の午後、すでに営業を終えているところも多い時間帯です。
患者さまにその日お薬をご用意するべく、スタッフみんなで手分けし、在庫をお持ちの薬局がないか問い合わせることになりました。
地図を開き、近隣の薬局から順番に確認しながら少しずつ探す範囲を広げていきます。
そうして幸い、お薬を分けていただける薬局が見つかりました。
もし患者さまご自身で探していたら、薬局を尋ね回らなければならなくなるところだったので、無事にご用意することができて、ほっとしました。
実際、患者さまから見えるのは薬剤師が「お薬をお渡しするまで」の時間だけかもしれません。
けれど、その向こう側では、薬局同士でお薬を融通し合ったり、必要な在庫を探してさまざまな連携が行われていることがあります。
スタッフになる以前から経験していた「今日夕方にはご用意できます」「明日になります」「入荷したらお電話します」という対応。
その言葉の向こう側でお薬をどのように準備しているのか、当時は気にも留めていませんでした。
発注してすぐに届いたのか、走り回って手に入れたものだったのかは、わからないけれど。
でもきっと、「在庫がありません」で終わらせるのではなく、その先にできることがないか考えてくれた誰かがあの時に動いてくれたんだと、振り返ります。
薬局での知られざる業務、というほどではありませんが、「お薬屋さんがお薬屋さんに駆け込んで、お薬を分けてもらうことがある」という状況が不思議で、驚いたことを今でも覚えています。
スタッフとして、薬局でよく見かける対応の裏側を少しずつ知ることができるようになり、中から見えてくる新しい視点や学びが、日々たくさんあります。
それが、働いていておもしろいなと感じます。
これからもこのブログを通して、普段はなかなか見えない薬局の業務、働きはじめて知ったこと、日々の中で感じた小さな発見などを、少しずつお届けしていけたらと思っています。
それでは、また次の更新をお楽しみに。




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